仮想通貨投資にはどんなリスクがあるか?

バナナの皮を踏みそうになっているところ
仮想通貨の世間一般のイメージは、あまりよくはないですよね。
けれども、仮想通貨のことをしっかり理解している人は、どれくらいいるのでしょうか?
「危険だから」という漠然とした理由で、仮想通貨を敬遠しているならば、非常に勿体無い話です。

仮想通貨の何が危険で、どうすればそれを回避できるのかをちゃんと把握しできるとよいですね。
そのために、この記事では仮想通貨にまつわるリスクの話を取り上げました。

仮想通貨に対する世間のイメージはネガティブだった

新聞を読みながら歩いている男性の写真
あなたは仮想通貨に対してどんなイメージを持っていますか?
マーケティングリサーチを行う株式会社マーシュが、仮想通貨に関するこんなアンケート調査を昨年公表しました。

株式会社マーシュ仮想通貨に関する調査結果
引用:株式会社マーシュ お金と仮想通貨に関するアンケート調査

全国の20代〜50代の男女800人に対し、仮想通貨についてどの程度知っているかを調査しました。

その結果、知っている・言葉だけでも聞いたことのある人が83.5%もいました。
一方、仮想通貨から連想する言葉を聞いたところ、「危険」、「怖い」、「不安定」というネガティブなワードが3割も出てきました。

世間の仮想通貨に対する認知度は高まっているものの、ネガティブなイメージが払拭できない感があります。

しかし、あなたは仮想通貨のどんな点が「危険」「怖い」「不安定」であるかを、しっかりと理解していますか?

仮想通貨には、リスクとなる要因は確かにあります。しかし、仮想通貨やブロックチェーン技術が世の中の仕組みを変えるだけのポテンシャルを持っていることも事実です。

知るべきことも知らずして、仮想通貨は危ないから手をつけないと見切りをつけるのは、あまりにも勿体無いです。

仮想通貨にはどのようなリスクがあり、どうすれば回避できるのかをしっかりと理解してもらいたいところです。

仮想通貨投資の5つのリスク

サイコロの写真
仮想通貨には、どんなリスクが具体的に存在するのでしょうか?
仮想通貨のリスクは、大きく5つに分けられます。

  1. 取引所リスク
  2. 詐欺案件に引っかかる
  3. ボラティリティがあり得ないくらい高い
  4. 税金が高い
  5. スプレッドが高い

世間で騒がれている「危険」「怖い」というのは1, 2で、「不安定」というのは3のことでしょう。仮想通貨投資をやらない人も、1〜3がどのようなリスクなのかを、知識として最低限おさえておいてもらいたいですね。

もし仮想通貨投資を実際にやってみるならば、4,5もちゃんと理解したほうがいいです。

仮想通貨投資のリスク①:取引所リスク

仮想通貨が「危険」、「怖い」と言われる所以の筆頭格が、この「取引所リスク」かと思います。

それを象徴するのが、2014年に起きたマウントゴックスの事件です。
マウントゴックスは、ビットコインの取引所を運営する企業でした。しかし、顧客から預かっていた分も含めて114億円の現金とビットコインが消失したことがきっかけで、マウントゴックス社は倒産しました。顧客はマウントゴックス社に預けていたビットコインを一気に失うことになったのです。

仮想通貨には、銀行や証券会社、FX業者のような補償制度が整っていません。
ですから、取引所がハッキングにあったり倒産することによって、預けていた仮想通貨が一瞬でパーになるリスクもあるのです。

日本経済新聞「マウントゴックス破綻 ビットコイン114億円消失」

最近は、coincheck(コインチェック)からのNEM不正流出が世間を騒がせていますね。
NEMが不正流出した原因は、coincheck(コインチェック)のセキュリティ管理の甘さにあります。

マウントゴックスのときと違い、coincheck(コインチェック)は顧客への返金対応もしましたし、倒産することも恐らくはないでしょう。
しかし、今回のcoincheck(コインチェック)からのNEM不正流出によって仮想通貨の信頼が大きく損なわれたことは間違いありません。

仮想通貨投資のリスク②:詐欺案件に引っかかる

もしあなたが、仮想通貨で少しでも「儲けたい」と思っているならば、詐欺案件には要注意です。
詐欺を働く人たちは、あなたのそういう心理状態をついて、あの手この手でお金を騙し取ろうとします。

「自分は絶対に大丈夫」と思っている人に限って、くらだない詐欺案件に引っ掛かります。

仮想通貨投資のリスク③:ボラティリティがあり得ないくらい高い

ボラティリティを簡単にいうと、価格の上下の激しさのことです。
仮想通貨の場合、このボラティリティがあり得ないくらい高いです。

ビットコインのチャート
引用:Zaif(ザイフ)

上のチャートを見てみてください。こちらはビットコインのチャートです。
ビットコインの価格は、2017年が始まった時点で30万円前後だったのが、2018年に入って200万円台です。
かと思えば、coincheck(コインチェック)のNEM不正流出や様々な規制の影響で、一気に70万円代まで下がりました。

まるでジェットコースターのような価格変動の激しさです。価格が上がる前のタイミングで買えればラッキーなのですが、下がる直前に買ってしまうことだってあります。

仮想通貨投資のリスク④:税金が高い

仮想通貨にかかる税率は、とにかく高いです。この事実だけはしっかりと受け止めておいた方がよいでしょう。
仮想通貨で得た利益は、雑所得扱いです。この雑所得というのが非常に厄介な存在です。

あなたが仮想通貨で利益を得るまでに、書籍を買って勉強したり、PCを購入したりするとします。
通常ならば、これらは経費として計上することができて、節税にもつながるはずです。

しかし、雑所得扱いとなると、そのような経費の計上すらできません。
仮想通貨の利益に対して、そのまま税率がかかります。税率(所得税+住民税)は、最大で55%にも及びます。

儲けた金額の半分近くが税金で持っていかれるなんて、かなり馬鹿げた話です。しかし、これが仮想通貨に関する税金の実態です。

仮想通貨投資のリスク⑤:スプレッドが高い

仮想通貨取引にかかる手数料はとても安いです。
しかし、手数料が安いからと言って、油断はできません。なぜならば、仮想通貨ではスプレッドが高いからです。

bitFlyer(ビットフライヤー)のビットコイン販売所の画面
引用:Zaif(ザイフ)

スプレッドとは、仮想通貨の買値と売値の差額のことです。
上の画像を見てみてください。こちらは、販売所におけるビットコインの購入価格と売却価格です。

ビットコインの購入価格が745,869円に対し、売却価格は728,713円です。
購入価格と売却価格の差が、17,156円もあります。この金額がスプレッドです。

スプレッドは、仮想通貨取引所に手数料収入として支払われる金額です。
ですから、ビットコインを販売所で買ったその直後に売却したら、只々損をするだけです。

取引所によってスプレッドの大きさは異なりますが、おおむね2〜3%ですから、結構大きな金額です。

もし仮想通貨の短期売買を繰り返すようならば、スプレッドだけで損をすることもあります。

仮想通貨投資のリスクへの対処方法


仮想通貨投資のリスクを5つに分けて解説してきました。
漠然と「危険」、「怖い」、「不安定」と思っていたことの中身が、少しは理解できましたでしょうか?

仮想通貨投資のリスクを理解した上で、やっぱり仮想通貨投資は行うわないというのも、1つの選択肢です。

けれども、実際に仮想通貨投資を行うならば、これらのリスクと上手く付き合っていかなければなりません。

そこで、これらのリスクへの対処法を具体的に説明していきます。

仮想通貨投資のリスクへの対処方法①:信頼できる仮想通貨取引所を選ぶ

マウントゴックスのような仮想通貨取引所を選んでしまうのは、あなたにとって損でしかありません。

幸いなことに、日本では仮想通貨取引所に対する規制を強化していて、金融庁に仮想通貨交換業者として登録しないと取引所が運営ができなくなりました。

今後は体質のしっかりした仮想通貨取引所が生き残り、そうでない仮想通貨取引所は淘汰されるという、よい流れができてくると思います。

いま金融庁に仮想通貨交換業者として登録している取引所は16社あります。
しかし、金融庁に登録しているからと言って、必ずしも信頼できる仮想通貨取引所であるとは限りません。

自分なりの基準を持って仮想通貨取引所を選べるのがベストですが、なかなかそういうわけにはいかないですよね。

そこで、私が推奨する仮想通貨取引所の選び方をご紹介します。
私は以下のような4つの基準で仮想通貨を選んでいます。

  1. セキュリティ体制
  2. 会社の安全性
  3. 補償制度が整備されている
  4. 取引量が多い

詳細は別記事でまとめてありますので、そちらを参照にしてもらえればと思います。

仮想通貨投資のリスクへの対処方法②:仮想通貨投資するなら長期運用・分散投資で

あなたが仮想通貨投資をこれから行うならば、長期積立・分散投資をおすすめします。
長期運用を勧める理由は、将来的に仮想通貨市場が大きく成長する見込みがあるからです。

仮想通貨は本来、世の中を変えるインパクトを持っているはずです。ビットコインを使えば、お店での決済もできます。

しかし、仮想通貨の機能は、単なる決済機能だけではありません。イーサリアムのスマートコントラクトは、大企業を中心に普及を進められています。モナコインも一部のコミュニティで投げ銭文化が広がっていたり、決済にも対応しています。

現状は投機的な視点で仮想通貨が語られることが多いですか、本来ならば実社会の中で役立つインフラ的な役割を果たしうる存在となるはずです。

ですから、仮想通貨のポテンシャルは高いですし、長期的に見て成長する可能性は大きいです。

仮想通貨投資のリスクへの対処方法③:スプレッドを低くするなら販売所よりも「板取引」を利用しよう

スプレッドが高くなる一番の理由は、販売所を利用しているからです。
販売所は、業者から仮想通貨を直接買う形になっています。
業者を仲介する分、その仲介手数料(スプレッド)が高くなるというイメージです。

もしスプレッドを低くするならば、販売所ではなく板取引を利用しましょう。
板取引では、ユーザー同士で仮想通貨の売買をする分、スプレッドも低くなります。

仮想通貨投資をするにあたっての心構え

誰もが言っていることだと思いますが、仮想通貨投資で儲けようと思わないことです。
儲けようという心理が働くと、正常な判断ができなくなります。そのため、仮想通貨に多額の資金を投入して損をしてしまったり、普段ならば引っかからないような詐欺案件に引っかかったりします。

仮想通貨にまつわる詐欺は、あなたの儲けたいという欲求をダイレクトに付け狙います。
もし仮想通貨投資を行うならば、「将来的に値上がりすればラッキー」くらいの気楽な心構えで臨むのが一番です。

仮想通貨投資に対して、変な期待は持たないようにしましょう。