仮想通貨FXとは何か?FX(外国為替証拠金取引)と何が違うのか?

都会のビル群の写真

この記事では、仮想通貨FXの特徴、FX(外国為替証拠金取引)との違いについて詳しく解説します。

仮想通貨FXは、FX(外国為替証拠金取引)よりも激しい値動きであることから、短期間で大きく利益を上げるとも可能です。しかし、その分リスクがあるということも事実です。仮想通貨FXの正しい知識をインプットした上で、自分に合った取り組み方を検討してもらいたいです。

それでは、詳しく見ていきましょう。

そもそもFX(外国為替証拠金取引)とは何か?

お札がばら撒かれた写真
FX(外国為替証拠金取引)とは、二国間の通貨を売買することによって、利益を得る取引のことです。
例えば、あなたが1ドル=110円のときに、日本円で100ドルを買ったとします。そして、ドルの価格が120円まで上がったときに、その100ドルを売るとします。
そうなると、(120円-110円)×100ドル=1,000円の利益を、あなたは得ることができます。

これがFX(外国為替証拠金取引)の簡単な原理です。つまり、安いときに外貨を買って、高くなったら売れば利益になるのです。

価格差を利用して利益を得ようとするので、このような取引手法は「差金決済取引(CFD)」と呼ばれています。CFDの中でも外貨で取引を行うのがFX(外国為替証拠金取引)なわけです。

FX(外国為替証拠金取引)の特徴

右手の人差し指で指差しているビジネスマンの写真
FX(外国為替証拠金取引)の特徴を説明しだすとたくさんあるのですが、この記事では仮想通貨FXと共通する特徴をピックアップして説明しようと思います。その上でFXの特徴を挙げると、主に以下の2つがあります。

  1. レバレッジ(てこ)をかけて少額で大きな取引ができる
  2. 取引を買いだけでなく売りからスタートできる

この2つを詳しく説明していきます。

FXの特徴①:レバレッジをかけて少額で大きな取引ができる

FX(外国為替証拠金取引)の大きな特徴ともいえるのがレバレッジです。
レバレッジとは、てこの原理のことです。FXでは、業者に対して証拠金を預けることで、証拠金の何倍もの金額を借り入れ、取引を行います。
ですから、手元にあるお金が少なくても大きな金額の取引ができるのが、FXの魅力です。

まあ、レバレッジをかけるのは、大きな利益が見込めるいっぽうで、損失が発生するリスクもそのぶん大きいので、諸刃の剣のような存在ですよね。

FXの特徴②:取引を買いだけでなく売りからスタートできる

取引の基本は、安いときに買って高いときに売ることです。
下のグラフを見ていただければ、イメージがつくと思います。
価格が安いときに買い、高くなったタイミングで売れば、その差額分が利益となります。

仮想通貨の価格と時間の関係を表したグラフ
引用:bitbank trade

そうなると、ずっと値下がり傾向が続いているときは、取引が全くできなくなってしまうのでしょうか?
そんなことはありません。

FXの場合には、取引を「買い」だけでなく「売り」からスタートすることもできるのです。
たとえば、1ドル=120円のときに、先にドルを売って円をたくさんもらいます。
そして、ドルの価格が下がったタイミングでドルを円で買い戻せば、その差額分が利益となります。

仮想通貨の価格と時間の関係を表したグラフ
引用:bitbank trade

FXは、買いのタイミングと売りのタイミングのどちらでも積極的に取引を行うことができる攻めの取引手法とも言えますね。

仮想通貨FXとは何か?

チャートの写真
FX(外国為替証拠金取引)のことを一通り理解してもらった上で、仮想通貨FXのことを解説していきます。

仮想通貨FXは、仮想通貨取引所に預け入れた証拠金を担保にして、その何倍もの金額で仮想通貨の取引を行う手法です。利益を得る方法は、FX(外国為替証拠金取引)と同じです。仮想通貨の価格が安いタイミングで買い、高くなったタイミングで売れれば、買いと売りの価格差の分がそのまま利益になります。

名前にFX(外国為替証拠金取引)がついていますが、外国為替は全く関係ありません。
仮想通貨FXとは、FXのように証拠金をもとに大きな金額をかけて仮想通貨の取引を行う手法のことです。

正しい呼び方は仮想通貨FXではなく「仮想通貨証拠金取引」なのですが、世の中的には「仮想通貨FX」という呼び方が浸透しています。

ちなみに、仮想通貨FXで取引をしたとしても、ビットコインやイーサリアムなど仮想通貨を実際に手に入れられるわけではありません。あくまで仮想通貨を売買したときの差額の現金を、決済時に受け取れるというだけです。

もし仮想通貨を手に入れたいならば、仮想通貨FXではできないので「現物取引」を行うしかありません。

日本は世界一の仮想通貨FX大国

富士山の風景の写真
日本は世界一の仮想通貨FX大国です。ご存知でしたか?
それを顕著に表しているのが、こちらの円グラフです。

【取引所別】日本におけるビットコイン取引量を示した円グラフ
引用:Crypto Compare

上の円グラフを見てください。
これは通貨別のビットコインの取引量の割合を示したものです。この中で、日本円(JPY)での取引量は全体の大半(58.93%)を占めているのです。日本はいまでは世界に先駆ける仮想通貨大国です。

次に、こちらの円グラフもご覧ください。

【取引所別】日本におけるビットコイン取引量を示した円グラフ
引用:Crypto Compare

上の円グラフは、日本の仮想通貨取引所ごとのビットコイン取引量の割合を示したものです。
緑色の部分が大多数を占めますが、こちらはbitFlyerFX(bitFlyer Lightning)からのビットコイン取引です。その割合は、全体の85.18%を占めます。

後ほど詳細を説明しますが、bitFlyer(bitFlyer Lightning)は、bitFlyer(ビットフライヤー)という仮想通貨取引所が運営する仮想通貨FXのプラットフォームです。

日本は仮想通貨大国であるだけでなく、仮想通貨FX大国でもあるのですね。上の円グラフを見ると、日本人がどれだけ投機好きなのかが分かりますね。

仮想通貨FXとFX(外国為替証拠金取引)の違い

仮想通貨FXとFX(外国為替証拠金取引)は、取引の形式はどちらも同じです。証拠金をもとに大きな金額で取引を行います。価格が安いタイミングで買い、価格が上がったら売ることで利益を得られます。投資の対象が外貨(法定通貨)であるのか仮想通貨であるのか、その違いだけです。

その上で、仮想通貨FXとFX(外国為替証拠金取引)の決定的な違いはなんでしょうか?
それは、値動きの大きさです。

仮想通貨の方が、外貨に比べて値動きが圧倒的に激しいです。仮想通貨の先駆けであるビットコインですら、いまだに価格が激しく揺れ動いています。2017年末に1BTCが200万円を超えたかと思えば、2018年に入って70万円台まで一気に下がりました。国の財政が破綻するとか、政権がガラッと変わるといったことがない限り、法定通貨がここまで激しく値動きすることはありません。

仮想通貨FXは、この値動きの大きさが魅力的でもあります。なぜならば、法定通貨で到底考えられないような値上がりを見せて、大きな利益を得ることが可能だからです。

しかも、仮想通貨FXの場合には値下がりのタイミングで売りからスタートしても、利益を得られますからね。

仮想通貨FXをやれば必ず儲かるのか?

電球と黒板の写真
仮想通貨は、法定通貨に比べて値動きが激しいです。ですから、値動きの激しさを利用し、FX(外国為替証拠金取引)では考えられないような莫大な利益を短期間で得ることも可能です。

そうなると、仮想通貨FXをやれば必ず儲かるのでしょうか?
答えは「ノー」です。

仮想通貨の値動きを、ちゃんと読むことができますか?値動きが激しい分、読み間違えれば証拠金が一気にパーになります。仮に値動きをちゃんと読めたとしても、あなたは自分の欲をしっかりとコントロールできますか?仮想通貨にしろFXにしろ、一番の敵は人間の欲です。儲けようという欲が強くなりすぎると、大きな金額の取引をしようとしたり、自分では思ってもいないような行動を起こすものです。

仮想通貨FXのメリット

コインが積み上げられた写真
仮想通貨FXのメリットを3つにまとめました。

  1. 少額の証拠金で大きな金額の取引ができる
  2. 短期間で大きな利益を見込める
  3. 買いだけでなく売りのタイミングで取引ができる

それぞれ詳しく見ていきますね。

仮想通貨FXのメリット①:少額の証拠金で大きな金額の取引ができる

仮想通貨FXは、少額の証拠金をもとにレバレッジをかけることで、実際よりも大きな金額の取引が可能になります。
証拠金の金額も、10万円、100万円というレベルではなく、1万円という少額から取引を行うことができます。証拠金が1万円で20倍のレバレッジをかければ、20万円分の取引ができるのです。

仮想通貨FXのメリット②:短期間で大きな利益を見込める

先ほども説明したように、仮想通貨FXの一番の特徴は、値動きの激しさにあります。ですから、その値動きの激しさをうまく利用すれば、少額の証拠金から始めたとしても、大きな利益を上げられる可能性があるのです。これは、法定通貨によるFX(外国為替証拠金取引)では味わえない仮想通貨FXの特徴ですね。

仮想通貨FXのメリット③:買いだけでなく売りのタイミングで取引ができる

仮想通貨取引で利益を得ようとするならば、価格が安いタイミングで買って、値上がりしてから売るのが通常のやり方です。ですから、現物取引の場合には価格の下がっているタイミングしか利益を得られるチャンスがありません。一方、仮想通貨FXの場合には売りのタイミングから取引をスタートできます。そうなると、利益を得られるチャンスがいっそう広がりますね。

仮想通貨FXのデメリット

崖を登っている男性の写真
仮想通貨FXをとても魅力に感じる人も多いかも知れませんが、美味しいところばかりではありません。
デメリットがあることも理解した上で、どう仮想通貨FXと付き合うのかを考えた方がいいですよ。

仮想通貨FXのデメリットを以下の通り3つにまとめてみました。

  1. 値動きが激しいぶん損をするリスクも大きい
  2. 取引所が潰れても証拠金が返ってこない
  3. アルトコインの取扱が少ない

それでは、これら3つのデメリットを詳しく説明していきます。

仮想通貨FXのデメリット①:値動きが激しいぶん損をするリスクも大きい

仮想通貨は法定通貨に比べて値動きがとてつもなく高いです。値動きの激しさは、莫大な利益を得るチャンスとなるいっぽう、損失のリスクもそのぶん大きいです。買いと売りのタイミングをしっかり見極められればよいのですけどね。そうでない場合には下手に仮想通貨FXに手をつければ、大きな損失を被ることになりかねません。

仮想通貨FXのデメリット②:取引所が潰れても証拠金が返ってこない

FX(外国為替証拠金取引)の場合、信託保全という仕組みがあるおかげで、万が一FX業者が潰れても預けておいた証拠金はちゃんと戻ってきます。信託保全とは、証拠金を契約先の信託銀行に預けることで、FX業者固有の資産と証拠金を分別管理する仕組みのことです。

FXの信託保全の仕組みの図
引用:FXビギナーズ

一方で、仮想通貨FXにはこのような信託保全の仕組みはありません。
ですから、仮に証拠金の預け先である仮想通貨取引所が潰れてしまったとしたら、その証拠金が返ってこないことも十分にあり得るのです。

仮想通貨FXのデメリット③:アルトコインの取扱が少ない

仮想通貨FXでは、現物取引のように色んな種類のアルトコインを取引することができません。仮想通貨取引所によっては、ビットコインFXしか扱っていないところもあります。

アルトコインで仮想通貨FXをやる場合には、取扱銘柄がどうしても限られますし、利用できる取引所も限られてしまいます。仮想通貨FXでアルトコインの取引ができないのがイヤという方は、現物取引を行うしかありませんね。

仮想通貨FXが利用できる取引所

仮想通貨FXは、基本的には仮想通貨取引所を運営している会社が取り扱っています。
取扱銘柄、レバレッジの最大倍率、チャートの見やすさなど会社によって特徴が異なります。

この記事では仮想通貨FXが利用できる取引所をいくつかピックアップして紹介します。
仮想通貨FXが利用できる取引所の詳細は、別の記事で詳しく取り上げたいと思います。

bitFlyer(ビットフライヤー)

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

bitFlyer(ビットフライヤー)が運営するbitFlyer Lightningというプラットフォーム上で、ビットコインFXを行うことができます。最大15倍のレバレッジをかけることができます。

bitFlyer Lightningは、下の画像のような取引画面上で取引を行います。bitFlyer Lightningは、日本国内でもっとも取引量が大きいプラットフォームなので、仮想通貨FX初心者でも安心して利用できそうですね。

bitFlyer Lightningの取引画面
引用:bitFlyer(ビットフライヤー)

Zaif(ザイフ)

Zaif(ザイフ)といえば、ビットコインの取引手数料がマイナスだったり、コイン積立を扱っていたりと、特徴的なサービスが多いですよね。

そんなZaif(ザイフ)では、AirFXというサービスでビットコインFXを扱っています。
AirFXは現物取引と同じような感覚で取引を行えるので、Zaif(ザイフ)ユーザーの方ならば馴染みやすいですね。
レバレッジは最大25倍であり、仮想通貨取引所の中では比較的大きな取引を行うことができます。

bitbank(ビットバンク)

bitbank tradeのトップ画面
引用:bitbank trade

bitbank(ビットバンク)が運営するbitbank Tradeというプラットフォーム上で、ビットコインのFXを行うことができます。

DMM bitcoin

DMM bitcoinトップ画面
引用:DMM bitcoin

DMM bitcoinの特徴は、なんといっても取り扱う仮想通貨の豊富さです。bitFlyer(ビットフライヤー)、Zaif(ザイフ)、bitbank(ビットバンク)いずれの仮想通貨取引所も、ビットコインFXはできますがアルトコインについて同じような証拠金取引はできません。

一方、DMM bitcoinのレバレッジ取引では、ビットコイン以外に6種類のアルトコインを取り扱っています。

  • イーサリアム
  • ネム
  • リップル
  • ライトコイン
  • イーサリアムクラシック
  • ビットコインキャッシュ

ビットコインではなく、アルトコインで仮想通貨FXをやりたいという方は、DMM bitcoinの一択しかないでしょう。